もうすぐ節分ですね。節分といえば、「豆」と「鬼」。日本の昔話には「鬼」の出てくるお話がたくさんあります。
鬼が出てくる絵本、と考えた時に、すぐに浮かんだのが「泣いた赤鬼」でした。昔話や絵本では悪者になりがちな「鬼」の、友情を描いた物語で、私が大好きな物語です。
私の中では「泣いた赤鬼に出てくる青鬼」と、「One Pieaceのウソップ」に似たものを感じています。そして、OnePieaceの中ではウソップが一番好きです。(関係ないですね、すみません)どちらも、仲間のために身体をはって頑張る姿が素敵ですよね。
「泣いた赤鬼」は、実は昔話ではなく「児童文学」だって知っていましたか。どうりでお話がしっかりしてますよね。昔話特有の、理不尽だったり、意味のわからない部分がなく、(もちろんそれも昔話の魅力ですが)読み物としての読み応えも抜群です。
今日は、節分の読み聞かせにもぴったりの、「泣いた赤鬼」についてをちょっぴり掘り下げてみたいと思います。
目次
泣いた赤おに(ないたあかおに)
あらすじ
人間と仲良くしたい赤鬼がいました。でも、どんなに「やさしい鬼です」と伝えても、人間たちは信じてくれません。それを悲しんでいる赤鬼に、友達の青鬼が一芝居うつことを考え付きます。青鬼が人間の村で乱暴をはたらき、それを赤鬼がこらしめる、という作戦です。
さてその作戦はどうなったのでしょう。そして、どうして赤鬼は泣いたのでしょう。これは、やさしい赤鬼と、もっとやさしい青鬼の、二人ともが主人公のおはなしです。
結末をご存知の方もそうでない方も、ぜひ絵本で確かめてみてくださいね。友情とはなにか。色々考えさせられます。とてもいいおはなしです。
作者の浜田広介さんとは
浜田 広介(はまだ ひろすけ、旧字体:濱田 廣介、1893年(明治26年)5月25日– 1973年(昭和48年)11月17日)は、日本の童話作家。本名は廣助。日本児童文芸家協会初代理事長。代表作に『泣いた赤鬼』『椋鳥の夢』『竜の目の涙』などがある。坪田譲治、小川未明とともに児童文学界の三種の神器と呼ばれた。
~中略~
廣介の作品は“ひろすけ童話”と呼ばれ、小学校低学年向けの平易な語り口と純朴で心を打つ内容により、絵本などで親しまれている。
Wikipedia 浜田広介 より
泣いた赤鬼を書いた浜田広介さんは、「日本のアンデルセン」とも呼ばれているすごい方で、多くの童話や童謡を手掛けています。山形県には記念館もあるので、わたしもいつか行ってみたいと思っています。
泣いた赤鬼の映画化「friends もののけ島のナキ」
2011年に公開された「friends もののけ島のナキ」という映画は、泣いた赤鬼が原案となっています。監督は『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴さんです。
泣いた赤鬼と三丁目の夕日がタッグを組む・・・泣かないわけがないですよね。実際、観た人の多くが、感動して涙した、というのですから、とてもいい映画だと思います。
恥ずかしながら、泣いた赤鬼について色々調べていてはじめて知ったので、早速DVDをレンタルしてきました。これから見て、また感想は追記したいと思います。
いろいろな、「泣いた赤鬼」の絵本
昔からみんなに親しまれてきた「泣いた赤鬼」だけあって、多くの絵本が出版されています。なかには、こんな方が絵を描いているんだ!と驚くような有名な方のイラストも。絵本は、お話はもちろん、絵によっても感じる印象は大きく変わります。同じお話でも、色々見比べてみると面白いですね。
泣いた赤鬼 絵:浦沢 直樹
超有名まんが家、浦沢直樹さんが絵を担当されています。浦沢さんといえば、「Monster」「20世紀少年」「YAWARA」など、数々の漫画を描いてきていますが、特筆すべきはその「画力」ですね。(もちろん内容もすごく面白いです。)
浦沢さんの漫画に出てくる人物は、表情がとても豊かですよね。そんな方が描いた「泣いた赤鬼」ですから、もう臨場感は抜群、迫力は満点。最後の場面では、彼らの表情だけで泣けてしまいます。
個人的には、青鬼のすみかに咲いているやまゆりがすごく印象的でした。
ないたあかおに 絵:池田 龍雄
こちらは1965年に発行され、長く愛されている絵本です。私が子供の頃に読んだのもこの本だったと思います。イラストを担当されている池田 龍雄さんは、アバンギャルド(前衛芸術)の道を進む画家ですが、絵本も数多く手がけています。しみじみと感動できる絵です。
節分にはぜひ「泣いた赤鬼」を読み聞かせてあげてください
「泣いた赤鬼」は、私が小さい頃に読んでいた絵本です。つい最近絵本を購入するまで、その後この絵本と関わることはほぼなかったと思います。それでもすぐに内容を思い出せましたし、素敵なお話だったと心に残っていました。
節分という「鬼」がクローズアップされるこの時期に、ぜひ「泣いた赤鬼」を読み聞かせてあげてください。きっと、その子の心にもずっと残るのではないでしょうか。
ただし、この本を読むと、節分の時に「鬼は外」と言いたくなくなるかもしれません(笑)
参考資料等:
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